M140323 誘惑のとき ルカの福音書4章1~14節

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1、誘惑のとき
1、2節  さて、聖霊に満ちたイエスは、ヨルダンから帰られた。そして御霊に導かれて荒野におり、四十日間、悪魔の試みに会われた。その間何も食べず、その時が終わると、空腹を覚えられた。

イエスさまは、40日間、何も食べずに、神への祈りに集中されました。イエスさまは、「塔を築こうとするとき、まずすわって、完成に十分な金があるかどうか、その費用を計算しない者が、あなたがたのうちにひとりでもあるでしょうか。」(ルカ 14:28)と仰っていますが、宣教を開始する前に、イエスさまは、40日間、ご自分の使命が何であるのか確認し、これから遭遇するでああろう困難を思い巡らして、それらを乗り越えることが出来るようにと、じっくりとお祈りをされたのですね。

祈り終わったとき、イエスさまは、非常な空腹を覚えられました。祈りに集中していたときは、感じなかった空腹感が、急に襲って来たのです。そこへ、タイミングを計ったかのように、悪魔がやってきて、イエスさまを誘惑しました。イエスさまも、私たちと同じように、肉体を持っておられましたから、当然、喉が渇き、空腹を覚え、疲労し、眠気が襲ってくるのです。

イエスさまは、ゲッセマネの園で、弟子たちに「誘惑に陥らないように、目をさまして、祈っていなさい。心は燃えていても、肉体は弱いのです。」(マタイ 26:41)と、仰いましたが、悪魔は、私たちの肉体の弱さを突いて、誘惑して来ます。普段何でもないときなら、あまり誘惑を感じることがないとしても、お腹がすいたとき、眠たいとき、疲れているとき、あるいは、大きな勝利を勝ちとったあと、気分が高揚しているときなど、私たちは、自分で自分を制御する力が低下していることに、あまり気づいていません。悪魔は、私たちの抵抗力や、判断力が下がったとき、油断しているときを狙って、誘惑してくるのです。

私たちは、悪魔の攻撃パターンを知っておく必要があると思います。敵が、どんなときに、誘惑してくるかを知っていたら、私たちの側でも、心構えをして、おめおめと、やられなくても済むと思います。間違った判断をしたり、争いが起きたりするのは、私たちの弱さにつけこんでくる悪魔が、存在するからです。悪魔は、私たちをそそのかし、時にはおだてて、私たちを騙して、私たちを滅びに引きこもうとしてきます。そのような誘惑に乗らないように、気をつける必要があります。

誘惑に打ち勝つ第一の対策は、自分の弱さをよく認識することだと思います。お腹がすくと怒りっぽくなるとか、人の言葉に左右されやすいとか、自分の弱さをよく自覚するなら、そこで、一歩退いて、神に助けを祈り求めることができます。しかし、「自分は大丈夫」と思っているなら、知らず知らずのうちに、悪魔の誘惑に負けてしまうでしょう。私も何度も失敗して来ましたが、失敗を通して、やっと自分の弱さを認めるに至ります。でも、弱さを自覚すると、へりくだって、神の助けを求めるようになります。

2節で「試み」と訳されている言葉と13節の「誘惑」と訳されている言葉は、動詞と名詞の違いはありますが、同じギリシャ語が使われています。ペイラスモス、英語ではテンプテイションですが、これは、2つの面があります。一つは、間違った道に引きずり込もうとする、まさに「誘惑」です。もう一つは、弱いところを発見し、補強するための「試み」です。悪魔は、私たちを誘惑して、間違った道に引き込もうとしますが、神さまは、この悪魔の誘惑さえも利用して、私たちの弱点を自覚させ、神に助けを求め、勝利するように変えてくださるのです。

2、悪魔の試み
悪魔は、3つの点で、イエスを試みました。しかし、イエスさまは、その全てに勝利されました。イエスさまが試みられた誘惑は、どのようなものであったのでしょうか。そして、イエスさまは、どうのようにして勝利されたのでしょうか。

3、4節 そこで、悪魔はイエスに言った。「あなたが神の子なら、この石に、パンになれと言いつけなさい。」イエスは答えられた。「『人はパンだけで生きるのではない』と書いてある。」

サタンは、イエスさまに神の子として与えられた力を、神の目的以外のために、使うように誘惑してきました。イエスさまは、40日間も断食されたあとで、非常な空腹を覚えておられました。イエスさまは、神の子ですから、石をパンに変えるくらい簡単なことでした。しかも、誰も見ていなのです。こっそり、石をパンに変えて食べても、誰も何も言う筈がありません。しかし、イエスさは、自らに与えられた神の子としての力を、自分のために使うことを断固、拒絶しました。

イエスさまは、後に、少年一人分のお弁当を用いて、大人5千人の食べ物に変えられました。もし、イエスさまが、この時、悪魔の誘惑に負けていたら、その後もずっと、同じような奇跡で、この世を救おうとされたかもしれません。パンの問題は、大事なことですが、もっと大事なのは、永遠のいのちの問題です。イエスさまの救いは、パンを与えることのみではなく、人々に永遠のいのちを与えることでした。サタンは、イエスさまが、人々にパンを与えることで、満足させようと誘惑して来ました。しかし、イエスさまは、『人はパンだけで生きるのではない』という、聖書の言葉を引用して、悪魔の誘惑を断固拒否し、十字架の道を選ばれました。

5~8節  また、悪魔はイエスを連れて行き、またたくまに世界の国々を全部見せて、こう言った。「この、国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこれと思う人に差し上げるのです。ですから、もしあなたが私を拝むなら、すべてをあなたのものとしましょう。」 イエスは答えて言われた。「『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えなさい』と書いてある。」

次に、悪魔は、イエスさまに、この世の王となって、その権力を使って、良い世界にすればよいではないかと誘惑してきました。悪魔は、罪の世界の支配権を握っています。悪魔は、イエスさまに「もしあなたが私を拝むなら、すべてをあなたのものとしましょう。」と誘惑しました。

しかし、イエスさまは、サタンの支配下で、この世の王となる道を拒否しました。イエスさまの目的は、悪魔の支配、つまり罪と死の支配を打ち破り、神の国を来たらすことでした。そのためには、どうしても、十字架の道を通らなければなりませんでした。十字架と復活こそ、悪魔の支配を打ち破る唯一の方法だからです。イエスさまは、「『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えなさい』と書いてある。」と、み言葉を用いて、悪魔の誘惑を、拒否されました。

9~12節  また、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の頂に立たせて、こう言った。「あなたが神の子なら、ここから飛び降りなさい。『神は、御使いたちに命じてあなたを守らせる』とも、『あなたの足が石に打ち当たることのないように、彼らの手で、あなたをささえさせる』とも書いてあるからです。」するとイエスは答えて言われた。「『あなたの神である主を試みてはならない』と言われている。」

悪魔の3つ目の誘惑は、神の超自然的な力を人々に見せることで、信じさせればよいではないかという誘惑でした。普通の人なら、神殿の頂から、飛び降りたら、地面に打ち付けられて死んでしまいます。しかし、イエスさまが、神殿の頂から飛び降りて、御使いによって、受けとめられ、ふわっと着地したら、それを見ていた人たちは、この人はすごい。神の人だと言って、崇め祭ることでしょう。

悪魔は、イエスさまに「人々は、奇蹟を見たがっている。見たら信じるだろう。」と言って、誘惑して来たのです。しかし、イエスさまは、奇蹟によっては、誰も罪を悔い改めることは出来ないことをよくご存知でした。やはり、十字架と復活だけが、人々を救う方法でした。イエスさまは、「『あなたの神である主を試みてはならない』と言われている。」と答え、悪魔の誘惑を断固、拒否されました。

こうしてみますと、イエスさまに対する悪魔の誘惑の本質が見えて来ます。それは、イエスさまを、何とかして十字架と復活の道から、引き離さそうとするものでした。悪魔は、イエスさまに「何も、苦しい十字架の道を通らなくてもよいではありませんか。あなたに与えられた全能の力をもって、もっと簡単に、もっと手軽に、この世を救うことができますよ。」と言って、誘惑してきたのです。しかし、イエスさまは、断固として、悪魔の試みを退け、十字架に向かって進んで行かれました。何故なら、十字架と復活以外に、人々を罪から救う方法がないからです。

3、神の力と助けによって勝利する
イエスさまが、悪魔の誘惑に勝利されたのは、み言葉によってでした。ご自分の信仰の強さとか、精神力の強さとかではなく、御霊の与える剣である、神のことばによって勝利されました。聖書のみ言葉を用いて、聖書にこう書いてあると言って、悪魔の誘惑を退けなさいました。

特に2番目の誘惑は、悪魔も、聖書の言葉を使って、イエスさまを誘惑して来ました。
10節の 『神は、御使いたちに命じてあなたを守らせる』と、11節の『あなたの足が石に打ち当たることのないように、彼らの手で、あなたをささえさせる』とは、詩篇91篇11節、12節のみ言葉です。

もし、イエスさまが、聖書の一部死しか知らなかったら、聖書の全体を知らなかったら、騙されていたことでしょう。しかし、イエスさまは、申命記6章16節「あなたがたがマサで試みたように、あなたがたの神、【主】を試みてはならない。」とのみ言葉を用いて、見事にその誘惑を退けなさいました。

エペソ書6章に、悪魔の誘惑に対する方法が記されています。

10 終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。
11 悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。
12 私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。
13 ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、いっさいを成し遂げて、堅く立つことができるように、神のすべての武具をとりなさい。
14 では、しっかりと立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、
15 足には平和の福音の備えをはきなさい。
16 これらすべてのものの上に、信仰の大盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢を、みな消すことができます。
17 救いのかぶとをかぶり、また御霊の与える剣である、神のことばを受け取りなさい。
18 すべての祈りと願いを用いて、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのためには絶えず目をさましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くし、また祈りなさい。

聖書は、私たちに、「神の武具を取れ」と言います。日本は平和に見えますが、私たちは、いつも、悪魔の策略との戦いの中にあることを忘れてはいけないと思います。神の武具とは、真理の帯であり、正義の胸当てであり、平和の福音であり、信仰の大盾、救いのかぶと、御霊の与える剣、そして、御霊による祈りです。

私たちは、世の中に流され、油断していてはならないと思います。今の時代、敵である悪魔は、自分の時の短い事を知って、隙あれば、私たちを、イエスさまから引き離そうとしてやっきになっています。私たちは、自分の力で勝とうとするのではありません。繰り返しになりますが、自分の弱さを自覚し、深く深く、主に拠り頼み、神の力によってのみ、勝利することができます。

忙しい毎日だと思います。いろいろとしなければならないことが、たくさんあります。しかし、神の御前に、静まって、祈りとみ言葉に仕えるときを確保させて頂きたいと思います。み言葉と、祈りなくして、勝利はありません。たとえ、短い時間ではあっても、主イエスさまとお交わりし、神の恵みによって強くして頂くことが必要です。

4、悪魔の誘惑に勝利しよう
13、14節「誘惑の手を尽くしたあとで、悪魔はしばらくの間イエスから離れた。イエスは御霊の力を帯びてガリラヤに帰られた。すると、その評判が回り一帯に、くまなく広まった。」

誘惑に勝つか、負けるかは、自分ひとりの問題ではありません。それは、私たちの愛する家族、友人、周りの人たちにも多大な影響を与えます。私たちが、誘惑に勝利するなら、それだけ、周りの人たちにも、喜びと感謝、祝福をもたらします。誘惑に勝利したイエスさまは、御霊の力を帯びてガリラヤに帰られ、人々に福音を宣べ伝えられました。

しかし、もし、誘惑に負けるなら、自分の前途にも、周りの人たちの前途にも、暗い影を落とすことになります。誘惑は、一人でいる時に来ることが多いのですが、その影響は、周囲の人たちに及んで行きます。

私たちの勝利は、十字架と復活にあります。十字架なしに復活はなく、復活なくして本当の勝利はありません。救い主イエスさまの使命は、私たちを罪から救い、罪の死の支配から解放することでした。そのためには、どうしても、十字架の苦しみを避けて通ることは出来ませんでした。

イエスは、私たちと同じ肉体をもっておられましたから、あのゲッセマネで祈られたように、出来ることなら、十字架という苦しみを避けて通りたいと思われたのです。しかし、もし、十字架を避けて通れば、罪の赦しも復活もなく、人々は、死と滅びから救われることは出来ませんでした。

イエスさまは、私たちを罪から救うために、最後まで十字架を避けようとする誘惑に打ち勝ってくださいました。そのおかげで、私たちは、今、罪が赦され、死と滅びから解放され、永遠のいのちに与ることができたのです。イエスさまが、悪魔の誘惑に打ち勝ってくださったからこそ、私たちは、救いの恵みに与ることが出来ました。誘惑に打ち勝ってくださった主に、感謝いたしましょう。

悪魔は、はっきりと、ノーと言えば、逃げて行きます。イエスさまは、み言葉をもって、悪魔の誘惑に、はっきりとノーと言われました。そして、最後まで、悪魔の誘惑に、ノーと言われた主に倣って、私たちも、主の恵みと助けによって、断固、誘惑にノーと言う者とならせて頂きましょう。

4:8 イエスは答えて言われた。「『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えなさい』と書いてある。」

以下に、学びシートPDFがあります。回答を、送ってくだされば、添削してお返しします。聖書を学びたい方は、ご活用ください。

M140323 「誘惑のとき」 ルカ4章1~14節  学びシート

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